地球へのピクニック
ここで一緒になわとびをしよう ここで
ここで一緒におにぎりを食べよう
ここでおまえを愛そう
おまえの目は空の青をうつし
おまえの背中はよもぎの緑にそまるだろう
ここで一緒に星座の名前を覚えよう
ここにいてすべての遠いものを夢みよう
ここで潮干狩をしよう
あけがたの空の海から
小さなひとでを取って来よう
朝御飯にはそれを捨て
夜をひくにまかせよう
ここでただいまを云い続けよう
おまえがお帰りなさいを繰り返す間
ここへ何度でも帰って来よう
ここで熱いお茶を飲もう
ここで一緒に坐ってしばらくの間
涼しい風に吹かれよう
谷川 俊太郎
1931年12月東京生まれ。豊多摩高等学校卒。肉声の魅力によって現代詩に独自の領域をきりひらく。ラジオドラマ、劇作など幅広い領域で活躍。詩集二十億光年の孤独定義日々の地図手紙他多数。
谷川俊太郎 生于1931年12月,家住东京杉並区,当代诗人。他的诗极富幻想性,给人一种新鲜感,读来耳目一新。主要诗集有《二十亿光年的孤独》,《关于爱》等多部。
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